メールを公開します。人事の方と「最強の採用ライターの4つの採用基準」を明らかにしました。

最近、採用広報や採用マーケティング周りで「コンテンツの質が低い」という事故が起きており、相談をいただくことが増えました。そのため「最強の採用ライターの採用基準」を書いたお返事を残しておきます。許可をいただいたので、人事の方からのお返事も記載いたします。

事故内容としては、こんな声が寄せられています。

「それ、求人票に書いてあることを会話にしただけ・・・」~採用ライターを採用して起きた事故内容~

佐野さん

お疲れさまです。
●●です。

ちょっと相談が・・・
採用ライターの人とうまく採用コンテンツが作れません。

Wantedlyや自社採用HPに社員や社長のインタビューを載せて
採用ブランディングしたいと思っています。
求職者の人に社風を伝えるコンテンツにもなりますし。

でも人事だけでは人が足りないので外部から採用ライターを採用しました。
うちの会社では書ける人がいなくて不安だったんですけど、
執筆経験が豊富な人が運良く見つかって安心したんです。

でも、記事を作ってもらったら驚くくらい内容が薄いんです。
どこがと聞かれると難しいんですけど、
「既に求人票に書いてあるよね?」というものだったり、
一問一答で終わっていてインタビューにする意味がないんです。

でも、ライター実績は豊富な方なんですよ。
どこに問題があるのでしょうか?

●●

つまり、採用ブランディングのために採用ライター(HRライター)を雇ったけれど、
コンテンツの質が低くて驚いている、ということのようです。

2018年くらいからポツポツと相談をいただくようになり、
ついに私の身近でも起き始めたので「採用ライターの採用基準」を記します。

人事の方にお送りしたメールを公開します。

=====
●●さん

お世話になっております。
佐野です。
先日はライターの方のプロフィールや執筆実績をお聞かせいただき
誠にありがとうございました。

私も採用ライターの問題について調べてみましたが、
●●さんの会社以外でも起きている問題のようです。
その共通点は、おそらくディレクションの問題よりも
ライターの採用段階の問題が大きそうです。

よって、「採用ライターの基準」を4つ記載いたします。
ご参照いただけますと幸いです。

【採用ライターの採用基準】

①採用したいターゲットの心理を分かっているかどうか

例えばエンジニアを中途採用したいのであれば
転職活動中のエンジニアが入社前にどんな採用情報を知りたいのか、
何を不安に思っているかを知っている人が
採用ライターとしての適性があると言えます。

例えばそれはエンジニア経験があったり、エンジニアを採用した経験があったり、
エンジニアのキャリアアドバイザーを務めていた方などです。
求人ライターや●求人広告会社の名前●でコピーライターをしていた方も
求職者の心理を踏まえたライティングをしてくれます。

②採用の経験があるかどうか

①と重なる部分もありますが、もし①の経験がない場合は
「そもそも求職者はどんな情報を知りたいか」、「求職者はどのように会社を見るか」を
知っている人が適切です。

エンジニアを採用する場合であれば、
エンジニアの転職行動を知らなくても
例えば「ディレクターや営業の職種の採用のポイントなら分かる」などです。

この時も「採用の経験を分解すること」が重要です。
自分たちが中途採用をしたいなら中途採用の経験、
新卒採用をしたいなら新卒採用の経験をある人が適切です。

私の周りで採用コンサルタントが思った結果を出さないケースは
中途採用をしたいのに派遣の採用に強みがあるコンサルタントが入っていたりと
採用の種類が食い違っているケースが多いです。

もしくは、採用チームの成長フェーズがずれている場合も多いです。

採用チームを立ち上げる段階なのに、
出来上がった人事部の中で去年の採用手法を繰り返すことで結果を出すことが得意な人を
採用してしまったりなどです。

●●さんの会社は●●さんご自身の採用経験は長いですが、
採用チーム自体は●年と短いです。
そのため、採用の立ち上げ段階を知っている方が合います。

③業界知識、職種あるあるを知っているか

業界や職種が異なれば言葉遣いも常識も変わります。
ある業界の会社ではメールでも部署名+役職名+●●様をつけることが礼儀正しさになりますが、
ある会社ではそれは堅苦しさを意味するようなケースです。

そのため、採用したいターゲットの職種や業界知識があるかは
大きな採用基準になります。

以前に●●さんが競合の採用情報を見ていて
「これ書くところはレベル低いよね」と仰っていたかと思います。
あの勘所は●●さんが●●業界にいたからこそ分かることで、
外部の人はまったく分からないことが多いです。

④一般人のインタビュー経験があるか

採用ライターもライターという名前がついているので、
採用するかを検討する際は、ライター経験を重視することが多いようです。

ただ、この「ライター経験」も曲者でして・・・

大切な点は2点あります。
一つは有名人インタビューではなく一般人インタビューをしているかどうかです。
もう一つはコラムやエッセイのように自分のことを書いているのではなく
話を聴いて原稿をまとめているインタビュアー経験があるかです。

一つ目は「誰をインタビューしているか」になります。
採用インタビューは多くの場合は社員の方という一般の人であり
語弊がありますが「話すことに慣れていない」人です。

しかし、著者や芸能人などの有名人インタビューであると
そもそも話すことに慣れているため、
引き出す、アクティブリスニングをする行為はあまり求められません。
反対に「じっと聴く」などの正反対のスキルが要求されます。

採用インタビューは聴くだけでは一問一答で終わってしまいます。
引き出す力が求められます。
そのため採用しようとしているライターは「誰にインタビューをしているのか」、
「インタビューをしている人は自社の社員の性格に近いか」を確認してみてください。

もう一つの点は、「何を書いている人か」です。
ライターと一括にしても、話を聴いてまとめるインタビュアーと
自分の話を書いたり意見を述べるコラムニストやエッセイストに違いがあります。

採用インタビューで必要な経験はインタビューです。
採用企業が出したい広告記事を書くのではなく、
求職者が知りたい情報を聞き出すコンテンツを作る必要があるからです。

●●さんが「求人票を会話形式にしただけ」と感じてしまったのは、
おそらく「最初に言われたことをそのまま書いた」から起きたことです。

最初に聴き出した内容からさらに引き出す、聴き出すことをすれば
求職者が知りたい情報へと変換されていきます。
=====

自社にない部分だけを採用ライターに任せる

以上となります。

結論としては「採用したいターゲットの転職心理を分かっていて、
採用経験があって、かつ一般人インタビューの経験がある人」が
最強の採用ライターです。
しかし、仰っていたようにそんな人は既に仕事が忙しくて出会えないはずです(笑)。

そのため、自社にない部分だけを任せることをおすすめします。
貴社は初めての中途採用ではないので、社員の方にヒアリングすれば
①の採用ターゲットの心理は理解できるはずです。

また、●●さんが採用経験があるので、
②と③の部分もカバーできるはずです。
④の部分を担う方がいないので、
④を基準に採用ライターを探してみると良いかと思います。

①と②と③を持っている人がいたら囲ってください(笑)。

●●さんがインタビューした方が良いかもしれないですね。
もしくは採用チームの●●さんがライティングに興味をお持ちでしたので、
育成してみるのも一つの手段かと思います。
また何かございましたら、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。

佐野

お送りした人事の方からのお返事も公開します(許可あり)

佐野さん

質問にご回答いただきありがとうございます。早速社内に展開しました。

採用ライターの採用基準なんてあるんですね。
著名人のインタビューをしていたので、「助かった!」と思ってあまり経歴を見ていませんでした。

先程、弊社の採用ライターが執筆していた記事を見ましたが、テイストが違うとすぐに分かりました・・・割とふわっとしたビジネス自己啓発に強みがある方のようです。

まぁ、私が好きな著者のインタビューをしていたから「話が合う!」と思って採用したのが間違いでした(笑)。

尚、同じ過ちをしないように、本件もコンテンツにしていただいてOKです。

●●

P.S.私の名前と社名は伏せてください(笑)。

編集後記~採用ライターは社内で育てた方が良いかも~

と、いうやり取りを通して、採用ライターの4つの採用基準を考えました。実際の会話の中では「ライターにもアーティスト気質とビジネス気質の人がいましてね。ビジネス気質の人の見極め方は、へっへっへ」みたいな話もしていますのでまた今度機会があれば書いてみます。

人の採用って本当に難しいですね・・・
特に採用広報や採用マーケティングという新しいことを始める場合は
「自社にいない人の初めての採用」となりますし。

採用ライターは社内の採用担当者を育てた方が効果が出るかもしれません。
①、②、③という教えられない知識、経験を持っていますから。
④は訓練次第で何とか身についていくので、
これは一番の採用の基準にしなくても良いんですよね。

それでは、最後に関係ない曲を貼って終わります。
Uruさんの「星の中の君」、しみる・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

◆ライティングパートナー、採用マーケッター(佐野創太):採用企業と求職者、経営者と社員、コンサルタントとクライアント、アーティストとファンの間の『誤解の解消』『本来の関係への回復』します ◆V系深読みライター(神谷敦彦):『ヴィジュアル系の深読み話』を書いています ◆#ともラク で共働きの書籍作りを実況中です