【「まだ見ぬ子どもへ」の手紙1通目】初めてあなたが母のお腹の中で動きました@2019年11月7日(木)(妊娠11週目)

まだ見ぬ子どもへ

あなたに手紙を書いておこうと思います。まだ娘なのか息子なのか分からないですが、いずれ会うあなたに向けた手紙です。

生き方の叩き台にしてください

この手紙の目的は二つです。
1つ目はあなたの生き方の叩き台です。あなたに関するトピックが発生した時に、あなたの父親の思考、性格の痕跡を残しておくことで生き方の参考にしてもらえたらと思います。例えば将来結婚しようか悩んでいるとき、結婚したとしても子どもを育てようか迷ったときの叩き台にしてください。正解は書いていないけどね。材料にはなるはずです。

面と向かって話せればね、それが一番だと思うのですが、おそらくできそうにないです。父親も人間も一回目だし、そもそも話して伝えることが苦手なので。申し訳ない。言葉で許しほしい。

2つ目の理由は妻への謝罪と「それでも育児も生活もフルコミットするよ」の宣言です。考え方も言動もあなたが思い浮かべる父親像とはずれているはず(笑)。ごめんなさい。でもあなたと生きていく約束に変わりはないです。がんばるよ、ということで(笑)。

ということで、手紙を始めます。とはいえ、子どもが何を知りたいか分からないので、あなたが生まれてくる過程であなたの父親が何を考えたかを残しておきます。なるべく時系列で。母には直接聞いてみると良いはずです。記憶力が良いのでね。この手紙を見せれば記憶を呼び起こす材料になるかもしれないです。

感動した!動いてる。猫みたいな手の動きだったよ。

2019年11月7日(木)。今日は9時からあなたの母親と病院に行きました。検診ですね。詳しい内容は母に聞いてください(笑)。でもトピックはあります。あなたが初めて動いている姿をあなたの母親は目撃したんです。喜んでいましたよ。「感動した!動いてる。猫みたいな手の動きだったよ。テンション上がるね」と興奮気味でした。まだ4センチくらいだったかな、母のお腹の中で生きているみたいです。

夜中にもう一度「どうだった?」と聞いてみました。そしたら「あなたと一緒で多動なのかな。よく動いてた」と笑ってました。あなたの母には余裕があるようです(笑)。

でも、あなたの母はこの日は頭痛がひどく、仕事から帰ってきたらちょっと寝込んでいました。妊婦になると市販の頭痛薬は飲んではいけないらしく、薬が飲めなかったみたいなんですよね。あなたとあなたの母が元気でいられるように、父もがんばらねば。

そしてあなたの父はどう思ったか。残念ながらまだ私はあなたを見ていない(笑)。この時期はまだ母だけが診察室に入り、あなたの姿を映像を通じて見ているんです。だから母を通じてあなたの様子を伝え聞いている状態です。

だからまだ、あなたを感じられてはいないです。でも、母の表情、言葉から少しずつ感じています。正直に言ってしまうと、私は子育てすることに母ほど積極的ではありません。私の家族(私、父、母、兄)がとても見本になる状態ではないからです。あなたが生まれてきたら、いずれ詳しく話しますね。これも良い叩き台にはなるはずです。

そんな状態ですが、動いているあなたを見るあなたの母の顔を見ていると「子育てをする選択肢を選んで良かったのかも」と思い始めています。

あなたの母が母であることを選ぶのは、実は当たり前ではないんですよ

ここからちょっと分かりにくい話をします。

あなたの母は、あなたの母である前に唯一の名前を持ったひとりの人間です。あなたにとっては母であり、私にとっては妻であり、会社の人間にとっては同僚であり、あなたの母の母と父にとっては娘でもあります。一人の人間の中に複数の人間が生きていると想像してください。時にはこの人間同士がけんかをする時もあるんです。「同僚と飲みに行きたい自分と、子育てをしたい自分。どっちを優先する?」な状況です。あなたにとってあなたの母は母であることを最優先にすることが当然なように見えるかもしれません。でも、実はそんなことはないのです。常に選択をして、あなたを選びます。

複数の人間のけんかの結果、親であることを放棄する人もいます。それがネグレクトや児童虐待と呼ばれる現象です。調べておいてください。ここでは、「私の母もいろいろな顔を持っているんだな」と思ってもらえればOKです。

中には子どもを産んで始めて「こんなはずじゃなかった」と悩み苦しむ親もいます。でも、あなたの母はあなたの母であることを喜んでいるように見えました。これからどうなるかは誰にも分からないけれど、少なくとも現段階ではあなたの母親はあなたと出会えることを心から待ち望んでいます。そこだけが今日は言いたかった。ので、大事な点を太字にしておきます(笑)。そこだけ読めば良いんだろうな、これ。

時にはあなたの母親も人間なので、あなたに優しくできなかったりすることもあるでしょう。そうなると、あなたは寂しさを感じることもあるはずです。「私は好かれていないのではないか。産まれてこなければよかったのではないか」と考える夜もあるかもしれません。

でも、覚えておいてください。あなたの母をあなたの母になることを待ち望んでいます。「母であることを楽しみにする」ことが当然ではない世の中でも、あなたの母はあなたに会いたがっています。

あなたの父親もね、「会いたいよ」と本音で伝えられるように、あなたの母から学んでいきます。

いつかあなたとこんな話をさせてください

こんな感じかな。「うちの父親は暗いな」と思ったかもしれません。正解です。仄暗いです。でも、あなたの母に時々書いている手紙もこんな感じだから、仕方ない(笑)。

また何かトピックが発生したら書きます。まだまだあなたの愛し方どころか接し方も、あなたの父親は分かっていません。少しずつ、あなたの母を見て吸収していきます。お互いどう接したいか、接してほしいかといったことも、あなたと話したいですね。交換日記みたいな、文章でのやり取りになるかもしれないけど。それは謝っておきます(笑)。でも、どんな人間関係になるか、とても楽しみにしています。

では、おやすみ。

不完全な父より

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