夫婦別姓が選べない悩みを記録します。夫かつ無邪気な加害者の視点です。

夫婦別姓がないことの悩みを夫側の体験として記録します。夫婦同姓がこんなにも妻も私を苦しめ、夫である私の家族問題も浮き彫りにし、離婚直前まで追い詰めるとは思いませんでした。

夫婦同姓に強制的にされることの悩みはなかなか共有されにくいものなんですよね。しかも妻、女性側にその負担は押し付けられます。そのため、夫婦同姓の被害者の立場からは少しずつ声が挙がってきたように思います。一方で、夫婦同姓を無意識に、無邪気に押し付けている加害者である夫、男性の声はまだあまり見当たりませんでした。

このニュースがありましたので、議論の叩き台として夫婦同姓の加害者である夫、男性の声を私の視点から書きました。
「姓名は選べる」という個人に制度を合わせること。「好きな人と同じ名前になるなんて幸せなことよ」と最も主観的である個人の幸せに人が口を出さない。これだけで減らせる苦しみ、悩み、悲しみはあります。私たち夫婦は夫婦別姓・夫婦同姓の問題で離婚直前まで話し合いました。

住民票、番号カード旧姓併記=女性活躍推進、5日から可能に
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019110200367&g=pol
>希望する人は、旧姓が分かる戸籍謄抄本を、マイナンバーカードまたは通知カードと一緒に市区町村の窓口に提出、請求すると交付される。

ここからは、あまり考えずに「名前変えてごめんね」なんて言った夫の視点から、夫婦別姓・夫婦同姓について妻と話し合って感じたことを書きます。これを最初に書いた日は10月20日でした。この時点では「妻の名前に変えよう」と合意しました。でも、11月5日現在では変えることなく、「そのままでいよう」となっています。妻が私の過去も背景も受け入れたこと、事実「家庭崩壊」・事実「離婚」状態の私の家族との一切れの繋がりを断ちたくないという思いを尊重してくれたことなどが理由です。

ただ、一つの記録として残すだけであって「これが夫婦同姓の苦しみだ」と一般化するつもりはありません。途中から事実「家庭崩壊」・事実「離婚」状態の家族で育った身でもあるので、一般化しづらい視点で夫婦同姓・夫婦別姓を捉えてしまっているでしょうし。読み返してみても、皮肉ったり音楽の話をしたり、支離滅裂です(笑)。

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妻の名字に変更することになりました。夫婦で悩み、苦しみ、話し合った結果です。

それでもお互いに傷が残ってしまいました。妻には「夫の名前を否定してしまった」という罪悪感、私には「妻からアイデンティティーを奪った」加害者意識と罪悪感を植え付けてしまった罪悪感。

結婚して名前を変える時に、何も考えずに「佐野の名字で良いよね」と言ってしまったことを後悔しています。正確に言えば、このことを言ったかどうかも定かではありません。

それくらい、何も考えずに妻がこれまで生きてきた年数分の愛着のある名前を変えてしまったんです。無知って最大の罪を犯す原因になりますね。妻の名前への無関心が、妻のアイデンティティーを奪いました。

実は、妻のアイデンティティーを無自覚に奪ったことだけでなく、もう一つ私は妻に傷をつけています。「この人の名前を名乗りたくない」というものです。こうなった原因もまた私にあります。

私と私の親との関係が悪化したのです。それを間近で見ていた妻の苦しみは想像を絶するものです。嫌悪感を抱いたはずです。その憎悪の念を抱いた名前で無機質に呼ばれた経験をさせてしまい、本当に申し訳ないです。一生償い続けていく意志は持っています。

純粋な愛だけで結ばれた関係ではなくなってしまったけど、ポジティブに考えるしかないはず。どんな綺麗な関係も、流れない水が濁るようにそれ一つで固定されれば汚れます。償う関係が出来上がった今、二人の関係はより一層強固なものになったと考えられる日がいつか来るのでは。

「来るのでは」と待つ姿勢ではなく、迎えに行く姿勢が必要ですね。あなたが好きな歌詞「結ばれんたんじゃなく結んだんだ」(Aimerさん『蝶々結び』)ですね。二人で関係の糸を結ばなければ、もう二人は別れてますね。また名前飽きたら変えましょう(笑)。そしてこの曲、ほんと好き。

加虐性に気づかない父へ。私たち別れちゃいましたね

で、父です。ここまで妻を苦しめる出来事は何かという話です。でもまぁ、詳細はカットです。字面にすると重いんです。でも、笑い話なんです、本当は(笑)。なので要点だけ。それまで経営者として、一人の男性として最大のと敬意と憧れを寄せていた父でしたが、膨れ上がった不信感が破裂する出来事がありました。

それでも私はこの父に愛されたいと願っていたので、父に尋ねました。父がなぜ結婚をし、子どもを産み、育てるという決断を下したか。ちょっと観察もしてみました。私(息子)が「死ぬ」と告げたらどういった行動を取るか。その結果、私と父は別れることになりました。

・・・自分もそんなできた人間ではないことは、振り返ると分かりますね(笑)。それでもすがりたかったんです。父のことは好きでしたから。今はこの父が息を引き取る瞬間に呪いの言葉を告げようと思っていますが、看取る気でいるということは、虫の息だとしても愛が残っている証拠でしょう。憎しみに揺さぶられた時、それでも愛は残るんですね。愛は強い。最後に愛は勝つ。(KAN『愛は勝つ』)この曲、公式がない・・・。

滅私奉公の母へ。母としての荷の重さは、幸せだったんでしょうか?

おそらくこの無条件の愛は、母親譲りだと思います。あなたに言葉の読み聞かせをしてもらっている古い記憶があります。その言葉を使うことが、生業になり、人と関係を結び、今も生きながらえています。あなたが私の写真を財布に入れて持ち歩いていることを今も覚えています。「古い写真 大切な思い出は 財布の中で 温められていた」んですね。(GLAY『COLORS』)もう捨てていたらここカットです(笑)。

もう息子たちのためでも父親(あなたからすると夫)のためでも、祖母のため(あなたからすると母親)でもなく、あなたのために生きてください。もうあなたは周りにいる人の幸せを自分を犠牲にしてでも作り上げました。あなたのもとに生まれて、あなたに育ててもらえて、少なくとも私は幸せでしたし、今でもその幸せを思い出せます。もうあなたの幸せのために生きてください。

これは父親にも言えることかもしれないです。あなたには助けてもらったし、家族を一緒に守る経験もさせてもらいました。金と交渉力を持って母親(あなたからすると妻)を守る姿は、私の永遠の憧れです。一人の人間としては加害者性、メンタル的な暴力性が強すぎるけど、あなたも私も人間一回目だからね。お互い欠陥が多すぎたね。またあなたが死ぬ時に会いに行きます。

兄は、まぁいいや(笑)

兄がいること忘れてました。まぁ、あれだ。エーリッヒ・フロムの『愛するということ』を読んで父性愛(条件付きの愛:成長を促す)と母性愛(無条件の愛:安心をもたらす)の区別を知って、父親に母性愛を求める不毛さを知れ。もう父親との過去で今と未来を規定する必要ないから。

私が知っているあなたは誰よりも深く考える聡明な人でした。あなたの歴史と哲学に対する興味から私は哲学を学び、人と深く理解し合う喜びを知りました。ま、強く生きろ。金は出さんが口は出してやる(笑)。

これだけの思いを持っているのに、父と母、兄との名前を捨てられるのは幸せなことだと思います。あなたたちより大切にしたい存在に出会えたわけですから。妻と生きていきます。

家族としては無関心になってしまったけど、人としては好きでした

子どもと親、兄弟という関係じゃなくて、一人の人間と一人の人間として父と母、兄には出会いたかったです。人間的に好き、親、兄としては嫌いなんですよね。これも私が勝手に持ってしまった親・兄に対する期待が邪魔してるんですよ。親と子、兄弟の関係性が強すぎなければ、私たちは何らかの交流は続けられたんじゃないかな。まぁ、これは願いに綺麗事が混ざっちゃってるかも。

・・・終わりが見えなくなった。ので、音楽性の合わない妻と「これいい曲ね」という音楽性が一致した数少ない曲、GLAYの『あなたといきてゆく』で締めます。誰かと生きていきましょう。

不慮の事故でこの文章を最後まで読んでしまった方へ。仄暗い気持ちにさせてしまっていたら、ごめんなさい。出てきた曲と本は本当に良い作品なので、聴いて読んでみてください。このページは、晴れやかな気持ちで閉じていただければと思います。

書かないと辛くなるので、書いちゃいますね。夜中の2時を回った。今日はゴールデンボンバーのライブを見に行くのだ私は。「地方民について本気出して考えてみた~4年以上行ってない県ツアー~」ファイナルを見に、横浜アリーナに向かうのだ。寝る。
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妻と、最期に看取る関係が作れますように

夫婦で名前を一緒にするかどうかを選べないことで、こんなにも苦しむとは思いませんでした。偶然にもこの文章を見かけた方がいたら、妻もしくは夫に「名前どうしようか」と話し合う場を設けることをおすすめします。仮に「名前変えたくないんだ」と言われていなくともです。これは「変えることを前提に話が進められている」人からは言い出しにくいことでもあります。「一緒の名前にするのが嫌なの?私のこと嫌いなの?」と思われてしまうのではと考えてしまうからです。

「何でも話し合えるのが夫婦」という一つの理想はありますが、だからといって自分の本音を正確に、かつ相手が傷つかない形で伝えるには高度な技術が求められます。これを一人の負担にするには荷が重すぎます。

妻とこれからも関係性を増やし続けて、その関係性も循環させ続けて、最期に看取る関係もつくれますように。そのための夫婦別姓騒動になったら、幸せなことですね。

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◆ライティングパートナー、採用マーケッター(佐野創太):採用企業と求職者、経営者と社員、コンサルタントとクライアント、アーティストとファンの間の『誤解の解消』『本来の関係への回復』します ◆V系深読みライター(神谷敦彦):『ヴィジュアル系の深読み話』を書いています ◆#ともラク で共働きの書籍作りを実況中です