【「就活未来会議2019」の参加レポート】採用広報・採用PRに危険あり。「夢ハイライト」がミスマッチの原因

こんにちは。
採用情報のコンサルタントの佐野創太(@atsuhiko_kamiya)です。

昨日は就活未来会議というイベントに参加してきました。
「今のシューカツ」を変えるために、当事者である学生の方、
企業人事の方、大学関係者の方、政府の方が一同に介する場です。
おそらく公式レポートが出るかと思いますので、そちらを待ちます。

なので、ここではどんなイベントだったかではなく、
採用情報のコンサルタントとして参加して何を感じたかを書きます。
同じ業種、同じ職種、似た雇用条件でも採用できている企業とそうでない企業を
求人票、採用HPといった採用情報を見続けている立場から思うことがありました。

音声動画はこちらになります。

「採用ミスマッチ」の原因は、「夢ハイライト」

最後に「就活を変えるアイディア」をグループごとに発表する場面がありました。
そこではアイディアの細部の違いはあれど、夢に溢れたものでした。
いわば「もっと●●●したい」というものであり、
聞いていて元気をもらえるものでした。

ただし、採用情報、採用広告の観点からいうと、
夢を見せることに重きを置くと、ミスマッチに繋がります。

仕事で見れる夢は1割程度でそのための準備が9割ですが、
採用広告は1割の夢を劇的に表現して、
仕事の9割だと思わせてしまう傾向があります。

いわば、採用広告はサッカーでいうところのゴールのハイライトシーンです。
(映画の予告編でもいいです笑)
90分の試合の中でゴールに直接的に繋がるシーンは数分で全体の1割も達しません。
それに至るまでの攻防や日々の練習の成果を出すのに89分くらい、全体の9割以上を占めます。

数秒のゴールのハイライトシーンを持って一試合全体を語れないのと同じように
採用広告で見せる仕事の夢1割を持って、仕事全体は語れません。

ミスマッチを防ぐのであれば、夢1割、準備9割の現状を
採用広告で表現する必要があります。

「就活って嘘ばかり」と感じる就職活動生の方へ:「本当のことを言え」という訴えよりも大切な仕事の調べ方

特に学生の方はこのギャップに苦しんで、早期離職します。
入社前は1割の夢が仕事の全体だと聞かされていたのに、
入社後は9割の準備に時間を費やすことになりますから。

もちろん、学生の方(中途の方も)は「本当のことを言え」と訴えても
採用情報は変わらないと考えた方が、自分のキャリアにはプラスに動きます。
基本的に新卒就活は1回ですし、その短期間に企業が「夢ではなく現実を見せよう」と
これまでの長期間で出来上がった採用広告の性格を変えるのは非現実的です。

採用広告や説明会、面接で言われることの何が夢で、
何が準備なのかはどれだけ調べても足りないです。
でも、聴くこと、調べることはシンプルです。
配属されて就く仕事の1日の中で、
「最も長い時間をかけてすることは何か」です。

どれだけ理念や価値といったWhyの部分が立派でも、
どれだけ事業内容やサービス内容のWhatの部分が理想的でも、
日々の時間の9割が費やされるのは「では、今日何するか」のHowの部分です。

興味がある仕事の1日の中で、
「最も長い時間をかけてすることは何か」が分かれば、
仕事の適性が見えてきます。

ミスマッチを防ぎたい採用担当者さまへ:その「業務概要」をさらに分解してください

では、採用企業側がミスマッチを防ぐにはどうすればいいか。
ここも悩ましいんですよね。
「現実ばかりを見せたら学生も転職希望者も集まらないのでは」という不安が重くのしかかりますし。

特に採用広報や採用PRといった言葉が少しずつ採用領域で浸透しているので
「いかに会社の良い部分を発信するか」に注目が集まっています。
採用マーケティングや採用ブランディングという言葉も、目新しくなくなっていますね。

ただし、この「いかに会社の良い部分を発信するか」は要注意です。
先程の仕事の1割程度の夢を「良い部分」として発信しようと考えているのであれば、
応募は増えた、内定受諾率も上がった。
でも定着率は低い、現場から「採用チームは現場を分かっていない」という厳しい評価が下ります。

では、どうすればいいかというと、これもシンプルです。
現場の業務を分解して公開することです。
分かりやすいのでサンプルを置いておきます。
【サンプル/求める人物像要件の分解シート】ライティングパートナー・佐野創太

新卒の採用情報よりも業務を書いている中途採用情報でも
ファイルの中でいう「大枠の業務」程度にしか分解されていない広告が目立ちます。
「大枠の業務」をさらに3つ程度分解して「細かい業務」レベルにして、
求職者はようやく「入社したら何をするのか」がイメージできます。

さらにもう一歩進んで、特に新卒採用であれば「細かい業務」と
それに「近しい経験」も伝えると、ミスマッチはさらに減ります。

「近しい経験なんて分からない」という場合も、解決策はシンプルです。
現場社員に「細かい業務」を見せて「これに近い学生時代の経験を教えてください」と聴くだけです。

編集後記~ワンキャリアの寺口さん(@telinekd)のご回答~

就活未来会議に出てみて夢をいただいたので、
気づかせていただいたとても現実的な採用、就活の話を書き留めました。

今の就職活動も採用活動も、夢の力が8割くらいに思えるので、
現実が占める割合を4割くらいにしていきたいですね。
現実を見て気づいた夢の方が、実は本当に見たい夢だったりしますし。

ちなみに、就活未来会議のパネルディスカッションのモデレーターを務めていた、
ワンキャリアの寺口浩大さんがtwitterで質問に答えてくださいました。
こちらからご覧なれますので、ぜひご参照ください。

寺口さん、改めてご丁寧にお答えいただき
誠にありがとうございました。
いつかお仕事をご一緒できるように、
経験を積み重ねてまいります。

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◆ライティングパートナー、採用マーケッター(佐野創太):採用企業と求職者、経営者と社員、コンサルタントとクライアント、アーティストとファンの間の『誤解の解消』『本来の関係への回復』します ◆V系深読みライター(神谷敦彦):『ヴィジュアル系の深読み話』を書いています ◆#ともラク で共働きの書籍作りを実況中です